その一 義雄の憂鬱 2004.4.6【第13話『芹沢鴨、爆発』より】
「あのぉ、出来れば部屋を変えて欲しいんですけど。」
「殿内さん、またですかぁ?」
「知らない人と同じ部屋で寝るの、ダメなんですって。」
「そう言われてもなぁ、もう丑三つ時ですよ。」
「しかも、こんなことはあまり言いたくないんだが、あのご同輩・・・。」
「芹沢さん?」
「一晩中、変な物かじってるんだ。くちゃ、くちゃって。気になってしょうがない。」
芹沢鴨、近藤さんに夢中で義雄さんのことはOut of 眼中☆(笑)
その二 捨助! 2004.4.17
「ついに来ちゃったぁ~。物騒なところだって聞いてたけど、やっぱり京の都は垢抜けてるよなぁ。おっと、物見遊山で来た訳じゃねぇんだ。あのぉ、すみません。新選組の屯所がある壬生村ってどっちの方ですか?」
「お前、壬生浪の仲間か?」
「えへ♪ そうなんですよ。あそこの大将の近藤勇、なにを隠そうオレの幼なじみの勝っちゃん! 今度もね、勝っちゃんたちに届けに来たんですよ、親父の蔵ん中にあった色んなもの叩き売ってこしらえた軍資金♪」
「なるほど、では私が壬生村まで案内つかまつろう・・・ドスッ!!」
「ウッ・・・」
「勝っちゃあ~ん、捕まっちゃったよぉ。」
「捨助!? お前、何でそんな奴に?」
「おい、近藤。幼なじみの命が惜しくば、こいつの親に言って千両ほど用立てさせろ!」
「せ、千両!?」
「近藤さん、ここはオレに任せろ。」
「大丈夫か、歳三?」
「心配すんなって。やい、どこの貧乏浪人かは知らねえが、人質とって金せびろうなんざ芹沢さん以上に不逞ぇ野郎だな。」
「ほざけ壬生浪! 我ら勤皇の士を愚弄するとただでは置かんぞ!」
「ふん、勤皇の士が聞いて呆れる。まあいいや。残念だがてめえ、人質とる相手を間違えたな。」
「なに!?」
「その捨助って男、見かけはおっちょこちょいに見えるがその実、根っからの尽忠報国の士なんだよ。ご公儀をお護りする我らの足手まといになるくらいなら、自分で舌噛み切っちまうような男だ。な、そうだろ捨助。」
「歳さん、勘弁してくれよぉ。オレ、みんなのために軍資金持って来たんだよ。全部こいつに取られちまってもいいってぇのかよぉ」
「カネならお前が舌噛み切った後に、その浪人たたっ切って取りかえしてやるから安心しろ。ほら、辞世の句でも詠みな、書き留めてやるから。」
「そんなもん、詠んだことねえからわかんねぇよぉ。」
「チッ、しかたねえな。じゃあ代わりに俺が詠んでやるから、それを繰り返してみな。いいか、『瓜売りが瓜売りにきて売り残し 瓜売り帰る瓜売りの声』 ほら、言ってみな。」
「うりうりがうりウッ!」
「さすが捨助、見事な舌の噛みっぷりだぜ。なぁ、近藤さん。」
「・・・わけがわからない。」
大丈夫か!? 新選組♪(笑)
その三 一(はじめ)まして 2004.4.24【第15話『行くか、残るか』より】
「さて、どぉしたものかなぁ。山岡さんはああ言って下さるが、今さら江戸に戻ったところでなぁ・・・。おや、ここは一体どこだ? 思案しながら歩いていたら、自分の宿舎を忘れてしまった。」
「こっちだ。」
「えっ?」
「京の町は迷路だ、俺が案内する。早くしろ。」
「いい人だ♪」
「ご無沙汰しています。」
「山口さん!」
「近藤さん。あの男は俺が手引きして洛外に逃がしてやりました。今頃は鞍馬山辺りでしょう。」
「鞍馬山?」
「あのぉ、こうじゃく寺はどちらでしょうか?」
「・・・」
義雄さん♪ アンタしょっちゅう迷ってるね!