「御前、申し訳ございません。私どもがついておりながら・・・」
「仕方あるまい。賊はなかなかの手練(てだれ)と見た。して、被害のほどは?」
「白のギアコマンダーが1個。それだけです。」
「なにぃ?! しかし、あれをしまった金庫の鍵の番号は、この儂(わし)しか知らんはず。」
「いえ、しまわれるところを私も見ていましたから・・・。」
「阿波崎っ! 貴様が犯人か?!」
スパコ~ン☆!!
「黒崎でございます。御前」
「さすがだな、ゼロ。ところで、どうしてわかった? 兄上のギアコマンダーの在処(ありか)。」
「フッ。このくらいのこと、私めにかかれば赤子の手をひねるがごときもの。」
「で、兄上はどちらにお連れしたのだ?」
「アッ!」
西園寺邸。忍び込む禿。
「ギアコマンダー、奪取完了。あとはアルテア様をお連れするだけだ。アルテア様、アルテア様?」
しばらく辺りを探す。
「おかしい。確かにここにいるはずだが人間が一体寝ているだけだ」
ふと、寝ている人物のそばを見ると黒騎士の仮面が置いてある。
「!!!アッ、アルテア様~!?おいたわしや、このようなお姿に・・・せめてこの首だけでもスバル様のもとにお連れせねば」
ガルファチップ。まだまだ改良の余地がありそうだ・・・。
おい、何か物音がせなんだか? 見て参れ、熊崎。」
スパコ~ン☆☆☆
「いかん! 気付かれたか。 ン?! これはっ♪」
「おや、織絵様でしたか。いや、その髪形のときはベガ様とお呼びすべきでしたね。」
「・・・!」
ヅラとベガ仮面をつけたまま焦りまくるゼロ。すると何を思ったか後ろ手でドアにカギをかける黒崎。
「ベガ様、今日こそお返事を聞かせてもらえますね?」
「???」
「ここまでじらすなんてあなたも罪な女(ひと)だ・・・」
迫る黒崎、固まるゼロ。
「ベガ様っ!!!」
「#$☆∀@! なっ、なにをする地球人!?」
「ベ、ベガ様じゃない!? するとお前は・・・」
手にしたアルテア仮面で思い切り黒崎をブン殴るゼロ。以下、番組中のシーンに続く。
なお、西園寺邸の防犯カメラに記録されたはずのこの時の映像は何者かによって消去されていたという。
「ゼロ」
「お目覚めでございましたか。」
「何をしている?! こんなに部屋を改造してしまっては、敷金が戻ってこないではないかっ!!」
「ったく。ゼロのやつ、この星に来てからの振る舞いは少し度がすぎているな。
この僕の行動にもいちいち口を挟むし・・・。
そうだ、ゼロには止められたが、街に出て戦う相手の様子でも見てくるか。」
「こども・・・。おとこ・・・。おんな・・・。
ん?! おすぎ? ピーコ? 何という星なのだ?! ここは!!」
「・・・ハァ、ハァ。もどったぞ、ゼロ! お前の言った通り、この星は・・・」
「おかえりなさいざぁます、スバルちゃん。」
「ゼ、ゼロなのか?!」
「何をうろたえておられます。さあ、スバルちゃん、小学校へ転入の手続きにまいりますよ♪」
「北斗っ! こっちよ!!」
「だまされちゃダメ! あなたの母さんはわたしよ!!」
「かあさんがふたり?!」
「かあさんがわからないの?!」×2
「痛いよ、両方から腕を引っ張らないでよ! っていうより、とってくれれば早いんじゃないの? そのヅラとベガ仮面。」