リヴァイアス

 

このサイトは、nobukoがリヴァイアス公式BBSでの思い出をまとめた私設サイトです。

 

なお、ここに掲載された文、絵のいずれについても、サンライズ様とは一切関係がありません。

 



『dis-からの離脱』

(『dis-』英語ヴァ-ジョンの私家版翻訳です。有坂美香さん、どうぞお許しを・・・☆)

 

 

舞い上がれ 取り残されたこころ

果てなき宇宙(そら)の

彼方へ

 

孤独の闇に落ちこんで

淋しさに押し潰されそうなとき

こころの奥に見えるものを誰かに伝えて

ほかの誰より知っている君自身で

怯(おび)えることも

ためらうこともなくていいから

何度でも 何度でも

若鷲が空を目指すように

 

雨上がりの陽射しに輝く朝のように

仮面をはずして 素直なこころで

はばたけ 飛べると信じて

 

その先に満ちる光は Joy and Truth

悲しみは果てないとしても

いつも希望とともにあるから

さあ 思い描いた自分になれるところへ

涙を流していた昨日と別れたとしても

一途な想いはなくさずに 明日へと運んで

夜の闇を抜け出し

真新しい朝(あした)へ進もう

航海(たび)は今 始まったばかり

 

(ラップ部分)

永遠というメロディー

それは僕らを自由にする力

こんな小船で旅する銀河

太陽の穏やかな音色に従おう

もうこの幻想に終止符を

争いは混乱をもたらすだけ

輝く光は生命(いのち)の糧

すべてを包み導く見えざる手

 

消え去れたならと思うときがあるんだ

この痛み傷つく場所から

遠く 永遠に立ち去れるものならばと

でも あなたの瞳に映るものを見たとき

もう逃げ出すことはやめたんだ

そう 確かにやりきれないときもあるけれど

でも今は 悲しみに「さようなら」と言えるよ

 

月が夜空を星と輝き満たすように

僕も宇宙(そら)の風の中 舞い踊るよ

闇の中でも求め続ける

もう恐れるものは何もない

僕は見上げて飛び立つよ!

 

夜の暗闇でも見つけるよ

痛みは消えなくとも

いつも希望がともにあるから

この銀河の流れのなかで

どんな時でも自由でいられるように

今日を越えて進めば

太陽が道を示してくれるはず

夜の闇を抜けて

生まれたての明日へ

僕の旅は続くよ

 

その先に満ちる光は Joy and Truth

悲しみは果てないとしても

いつも希望とともにあるから

さあ 思い描いた自分になれるところへ

涙を流していた昨日と別れたとしても

一途な想いはなくさずに 明日へと運んで

夜の闇を抜け出し

真新しい朝(あした)へ進もう

君の航海(たび)はもう始まっているから


『夢を越えて』

(『Over The Dream』の私家版翻訳です。有坂美香さん、重ね重ねお許しください☆)

 

一陣の風が 眠れる私をそっと包み込む

軽やかな歌声が 呼びかける

「宇宙(そら)に流れる音色に耳を澄まして・・・」

やさしいささやきに 私は目覚める

 

そう ずっと独り 立ちつくしていた

いつの間にか痛みは消えて

ふいに目の前に 幼な子が 美しい笑顔で立っていた

 

紛れなき 天上からの贈り物

 

その時 あなた様 主の愛を知り 私は救われた

だから歌い続けたい 

風よ 運んでおくれ

あなた様の耳元に どうぞ届きますように・・・

 

 

そう 愛に目覚めた瞳なら

再び目にすることができるでしょう

いつの日にか 主の栄光に輝き満たされた園を

絶えまなく降り注がれる天上のしらべに乗せて

風よ 私の歌を口づさんでおくれ

夢を越えていけるその日まで

 

嵐が 宇宙(そら)の旋律をかき乱しても

私の心の奥深くで 歌が育まれる

星が降りしきる夜には

いつの日にか 主の御心のままに歌えるようになりたい

そう心から願う

 

風はそっと その夢を包み込み 

花はやさしく うなづいている

星々は 夜の蒼宇宙(あおぞら)に瞬いて・・・

 

何処かにある でもはるか彼方の

夢の園へと 越えてゆきたい


あどけないとげ

 

 

ファイナに本心を告げた後、通路をひとり歩きながらオレは思い出していた。

何故だかわからないけど、急にあの時のことを・・・。

 

「祐希~!危ないからそんなところにのぼっちゃダメだよ~!!」

「わかった~、お兄ちゃん。」

 

 

「ったく。お前はまるでお姉ちゃんだな」

「えっ?」

「まるで祐希のお姉ちゃんみたいだって言ったんだよ。」

「・・・!!」

 

あの日、遊び仲間のKに言われたその一言が、何故か心に深く刺さってしまった・・・。

そうだ。それからだったんだ。祐希との間がぎくしゃくしていったのは。

 

それまでオレは、ずっと祐希の父親がわりになろうとしていた。そうでなければいけないと思っていた。

ひとりぼっちの母さんを、助けたかったから。

でも無意識にオレがなっていたのは、母親だったんだ。

仕事で忙しくて留守がちだった母さんの代わりに、自分が出来るだけのことをして守りたかった。

祐希の泣く姿は、なるべく見ないでいたかったから・・・。

 

はは・・・らしいよな。こんな状況になって、やっとわかったなんて。

なんであの時、あんなにむきになって、Kの言葉を否定しようとしたのかが。   

図星だったからなんだ。

 

あの時からずっと、オレの時計は止まったまま・・・。

だから・・・ファイナ、君に惹かれてしまった。

強い心を持っている君に・・・幼い頃のオレ達が求め続けて得られなかった父さんのような強さを持つ君だったから。

本当に、自然だった。

ごめん。


逃げている

 

 

圧倒的な強さ

 

微塵の弱さも持ち合わせないほどの強さ

 

そんな力に憧れてしまう弱さを押し隠して

 

陽のあたる場所だけを歩いてきたら

 

道端で泣いている子どもを見ても

 

ひざを折って こしを落として

 

言葉をかけることが出来なくなっていた

 

心のなかの軋む音に気づいていることが

 

せめてもの救いと また逃げている


くちびるをかみしめる 

 

自分の考えていることが正しいのだ

そう主張する者がいた

自分もそう思うと言う者たちが

その周りに集まった

 

その場にいた私は

しばらくかんがえていたが

私にとってはそれは違うと告げると

その時から彼らは私を許さなくなった

 

何が正しいのかは

まだ私にはわからない

 

私にとって明らかなのは

多くの者たちが正しいとした考えは

私にはあてはまらないということ

それだけのことなのに

 

くちびるをかみしめる

その痛みだけを誇りにする毎日を

彼らは一層あざわらう

 

そんな場所から離れることさえ許されないのか

 

くり返される日々のなかで

光に気づく瞬間を

ただそれだけを

探し続けたいだけ


甘ったれ野郎の八つ当たり 

 

みんなのこころの震えから

オレは目を背けられない

それがどんなにわずかでも

いつも感じてしまうから

 

でもさ オレが感じたものを 

どう伝えたら

どのくらい伝えていいものか 

いつのまにか わからなくなっちまってさ

 

そのもどかしさ やりきれなくて

いつもふらふら 

行ったり来たりしてるだけの

目の前のあんたに

八つ当たりしちまってるよ

 

ひとの気持ちは 少しも見えちゃいないくせに

理屈だけは 上手にコネやがる 

何様のつもりか知らないが

これ以上あんたの わかったようなツラ

見せられるのは ごめんなんだよ

 

クソ兄貴 

いい加減 腹きめろよ 

あんたが答えを出せることから とっととやり始めろ

本当のくそ真面目さを このオレに見せてみやがれ

 

自分の気持ちも 少しも見えちゃいないくせに

理屈だけは 上手にコネやがる 

何様のつもりか知らないが

これ以上あんたの わかったようなツラ

見せられるのは ごめんなんだよ

 

クソ兄貴 

いい加減 腹きめろよ 

あんたが答えを出せることから とっととやり始めろ

本当のくそ真面目さで オレに手本を見せてくれよ


♪終わりのない悲しみからどこかへ~♪

 

ここは、無限の森ヴァイア。リス達は今日もせっせと冬ごもりの準備をしています。

 

「なんかさ、俺思うんだ。毎日毎日こうして木の実を集めてばかりいる。けど、本当にこのままでいいのかなって。」

「コージリス!? 急にナニ言い出すのかと思ったら、またそんなこと考えてたの? ほらほら、急がないと寒~い冬がきちゃうよ!」

「でもさ、せっかくこうして集めた木の実も、結局全部は食べきれなくて、あっちこっちに埋めちゃうだろ?そして食べたい時にはどこに埋めたのかわからなくなってる。それじゃあ何の意味もないと思うんだ。埋めてちゃいけないんだよ。」

 

 

「いいんじゃないの~? な~んにもなくなっちゃう冬の間にお腹がすいたら、やっぱり困っちゃうんだからさあ。集められる時に出来る限り集めておくっていうのは、別に悪いことじゃないと思うな~。それで余っちゃったら貯蔵しておく、っていうのがやっぱり一番だと思うけどな~。」

「それはそうなんだ、イクミリス。けどさ、この森にある木の実の数には限りがあって、なのに俺たちは自分のことだけを考えて必要以上に集め回ってしまう。集め過ぎた木の実を埋めることになって、そしてその場所を忘れてしまう。」

「だから?」

「だからさ、これからは自分の必要な分だけを集めるようにして、それ以上は取らずに、他のリスや動物たちの分にまわしたいんだ。俺が俺であるために。」

 

 

「エッへン!! コージリスはなかなかいい所に気が付いたようだな。我が輩はハナっからそうしていたぞ!!」

「・・・ルクスンリス、その口の中に一杯詰まっているものは、何?」

「あ゛っ!! いやいや、これは、その~~そうそう!後で皆で分けようと思ってだな。」

 

 

「コージリス、過去は、断ち切るしかない。」

「ファイナリス! ・・・それって・・・よくわからないな。」

「埋めてしまった木の実のことは、もう忘れるしかないの。コージリス、あなたの目の前にある木の実をひたすら集めて、前に進んでいくの。」

「??」

 

 

「・・・コレをやる」

「ブ、ブルーリスさん! い、いえもうたくさん集めましたから、いいです。」

「年上のくせに! これだから兄貴(あんた)はダメなんだ!」

「な、なんだと~!!」

 

 

こうして、無限の森ヴァイアの秋は深まり、やがて雪に閉ざされる季節を迎えました。

 

 

「なんなんだよ、もう~。やっぱり忘れちゃったよ、どこに埋めたのか。」

「すごい、予想通りみたい。」

「みたいじゃないよ。」

「いいじゃん、お腹一杯なんだし。ふあ~、もう眠たくて眠たくて耐えられないよ。早く寝ようよ。」

「ああ~、やっぱり埋めるんじゃなかった!」

 

 

そして、再び暖かな陽射しが森に射し込み始める頃、大地のそこかしこからは、かわいい小さな芽が空に向かって手を拡げ始めるのでした。そして いつか あるとき・・・


あおいろの いつか あるとき

 

今日はリヴァイアス幼稚園の運動会。万国旗を揺らす歓声から離れ、ひとり園の門前で時計と前髪を交互に気にする女性。

 

「遅いわね~ルクスンたら・・・、あっ来た来た!!お父さん、こっちよ!早く、早く!」

「いや~悪い悪い、道が込んでて遅くなってしまった。ところで、りぼんはどこだ?」

「もう入場門のところに並んでるわよ。お父さんのこと、さっきからずっと心配そうに待ってるのよ。」

「そうかそうか♪ 急がねばならんな!」

「がんばってね~♪」

 

走り去る夫を見送り、ぎりぎり間に合いそうなことに少しホッとして、ひとり席に戻っていく彼女の手からプログラムが滑り落ちた。まるで、待ち構えたかのようにそれを拾い、不敵な笑みを浮かべる男の額には、一層後退してしまった髪の生え際を隠すバンダナがまかれている。

 

「さあ、次は年長組親子による『ときめき、その子』です! 参加の保護者の方は、入場門にお急ぎくださぁ~い。」

 

「入場門って、いったいどっちだ?」

「・・・あそこです。」

「あっそうか、そうか! いや~、君助かったよ、ありがとう!」

「・・・これを。」

「ん?何だ?? バイクのゴーグルじゃないか?」

「次の競技に・・・」

「なんだ、そういうことか! わかった。ありがとう!」

 

入場門の方へうれしそうに駆けていくルクスンの後ろ姿を、じっと見ている長身の男。

その左目の下には、消えかかっているとはいえ、よく注意して見ればキズがあることは明らかだった。よく注意して見れば、である。

 

「や~、りぼん! 待たせてごめん、ごめん。なんだ、りぼんは一番前だったのか。間に合って良かった~。」

「お父さん!りぼん、いっぱい心配したんだよ。いま来たばっかりで大丈夫?」

「任せておけって♪ さ~てと、ところで何の競技だ?」

 

「位置について!!」

 

「あっ始まるよ、お父さん!」

 

「よ~い・・・」

 

「おいおい、ちょっと待ってくれ、ゴーグルがまだなんだよ! って、えっ? 何で皆付けてないんだ?」

 

「ドン!!!」

 

かわいいわが娘の手をとり、それでも走り出すルクスン。

ところがあまりに慌ててしまって、いきなり転んでしまう。

 

「わ゛~!!」

「お父さん!」

 

先を走る親子たちがまきあげる砂ぼこりのなか、膝をつくルクスン親子はこのまま絶望の淵へと墜ちていくのか!?。

 

「む~~、これまでか。ん? 砂ぼこりにも目が痛くないぞ! そうか、ゴーグルをしていたおかげか!」

 

すっくと立ち上がり、猛烈にダッシュするルクスン。

その先には、白い粉に隠された飴の入ったテーブルに顔を突っ込む他の組の親子達。

 

「お父さん! 飴を探すのよ!」

「む! そうか、このゴーグルは、このためだったんだな!」

 

そう自分に納得しながら、おもいっきり粉の中に顔を突っ込むルクスン。

 

「(なんだなんだ? 見えんじゃないか! 意味ないじゃないか! どこだどこだ? 飴はどこだ? あっ、あった! まとめて三つもだぁ~♪#)ぷは~~!」

「あ~!、お父さんの顔、まるで "その子さん" みたい~。」

「ごほごほっ、む? 目の前が真っ白で何も見えん。ゴーグルはとるぞ。ごほっ。」

「あ!こんどは、パンダさんみたい♪ おもしろ~い♪」

 

そう言いながら、びりっけつをうれしそうにゴールへ走る親子であった。

 

「・・・お前がアレをどう使うか見たかったが・・・。とんだ結末だ♪」

 

「イクミィ、何探してるの?」

「おれのゴーグル・・・」


希望の世代 (パットのテーマ)

 

クリスタルの中の無限の微笑みは

指先ひとつで臆病な心を癒してくれる

でも もう寄りかからずに歩いていける

今日から

 

押し寄せるカオスの波に 呑み込まれたくないのに

うずくまり 目を閉じることしか術を知らない幼い僕は

したり顔した誰かの呪文に 塞いだ耳を傾けそうになる

そんなとき

 

こっけいなほど 堂々と

あきれるほど まっすぐに

カオスの中を突き進む背中から

あなたの声が甦ってくる

 

「きれいごと」

それは 卑怯者のいいわけ

 

父さん 僕はもう大丈夫

いつか 宇宙(そら)を航る鳥になって

あなたの意志(こころ)を運んでいくよ


形而上と形而下のはざまで

 

「さて、困ったことになったゾ。そこの掃除道具入れのところで、捨てフェレットを1ダース拾ってしまったぞ。生き物を捨てるなんてこと、よくもできるもンだな、まったく。お前もそう思うだろ、なあヘイガ-?! あれ、どうした? 具合でも悪いのか? ボーッとして。」

 

「すみません、ちよっと考え事をしていたものですから。」

 

「考え事か。そうだな、人間、考えるということを忘れてはいかんな。ソクラテスもプラトンも、みんな悩んで大きくなったんだからな。で、何を考えていたんだ?」

 

「Xの3乗に1をたしたら0になるというXについてなんです。」

 

「はぁ?!」

 

「このXには3つの解があるのですが、そのうちの1つが-1であることは、私にもよくわかるんです。」

 

「えーと、-1かける-1は1で、それにも一度-1をかけると-1。これに1をたすと、オオッ!! 本当だ! すごいじゃないか、ヘイガ-!」

 

「艦長、何を驚いているんですか。こんな、実数の解がとけたところで中学生だって喜びやしません。問題は、この方程式をニュートンの方法を用いて解くと、ほかにあと2つの解があるってことなんです。」

 

「言ってることがよくわからんな? まあいい、続けたまえ。」

 

「あとの2つと言うのは、数直線上に乗っていなくて全平面を占める、複素数なんですが、これをグラフにして拡大すると反復してあらわれる複雑で美しい像となるんです。」

 

「フムフム」

 

「この像は、いくら拡大しても決して単純な直線や曲線に分解しないで、常に複雑なままなんです。」

 

「哲学みたいだな。」

 

「そこなんです、艦長。私は、この世の全ては、一見複雑に見える人間の心でさえも数学的に分析して説明できると考えているのですが、この解が示しているものは、私の考えを否定してしまう様な気がしてならないんです。」

 

「そうかぁ? そんな深刻な問題だとは思えんが。まあいい、その美しい像とやらのグラフを見せてみたまえ。」

 

「はい。これがそのフラクタル像です。」

 

「なんだ? ゴキブリの繁殖か?」

 

「ゴキブリ? ああ、艦長にこの美しさを理解していただけないのは残念です。」

 

「別に美しくないとは言っとらんぞ。そんなことより、ヘイガ-。私はお世辞にも数学に強いとは言えんが、君がこのグラフを美しいと感じたり、それを表現する数式があることのほうが、私には素晴らしいことだと思うがな。」

 

「・・・。」

 

「ところでヘイガ-」

 

「はい」

 

「この捨てフェレット、一匹引き受けてもらえんか?」


小羊たちの哲学

 

まるで永遠に抜け出すことが出来ないカオスの中で

 

それぞれがほんの少しの結末を積み重ねながら

 

ゆっくりと螺旋階段を昇っていく

 

それは本人でさえ気づかないほどの歩みかも知れない

 

気がつくと同じ場所に戻っているような錯覚さえおぼえる

 

そんな過去と未来の挟間のひとコマ

 

それが無限のリヴァイアス